事例④ 製造業D社

目次

製造業D社(従業員数10,000名)

役員報酬制度改革・ガバナンス強化

背景・課題

  • ガバナンス・コードに沿った指名・報酬審議プロセスの明確化と、開示の分かりやすさ向上が急務
  • パフォーマンス連動比率の引上げに伴い、不適切なリスクテイク抑制の仕組み(クローバック等)が未整備
  • STI/LTI の評価指標やレンジ設定の妥当性、持株ガイドラインの見直しなど、制度全体のアップデートが必要

実施した施策

1)審議体制の整備

指名・報酬諮問委員会での審議事項・決議事項を整理し、年次スケジュールと議題設計を明確化

2)STI(短期)/LTI(中長期)の評価指標見直し
  • 短期で評価する指標と中長期で評価する指標を整理し再定義
  • 業績レンジは過去のボラティリティ分析を用い、±20%の運用妥当性を点検(当面維持、継続モニタリング)
  • STI、LTIの指標を適正に評価ができる内容に修正
3)サステナビリティ評価指標導入、定性項目の評価方法整理

サステナビリティ評価指標の導入と、マテリアリティに沿った評価指標への入れ替え、定性項目の評価方法の整理

4)その他
  • 既払い報酬の返還事由を過年度財務諸表の修正(米国SEC基準参照)に限定し、運用可能な実務に設計
  • LTIの報酬内容見直しとそれに伴う株式保有ガイドラインの見直し

成果

  • 報酬ガバナンスの透明性・説明力が向上し、社内外の理解が進展(委員会議題・決議の整理、開示文面の平易化)
  • STI/LTI の評価指標が一貫し、短期・中長期の経営目標への整合性が強化
  • クローバック条項・持株ガイドライン等の整備で、長期志向とリスク抑制の両立を実現

お客様の声

「委員会での議論が見える化され、評価指標や名称も整理されました。投資家・社内への説明が格段にしやすくなり、制度運用への安心感が生まれました。」指名・報酬諮問委員会 事務局

プロジェクト概要

期間:複数年度(複数回の委員会を経て設計〜決裁)

対象:指名・報酬諮問委員会、取締役会、報酬制度(STI/LTI/RSU/PSU)、開示文書

主な成果物:

  • 年間委員会アジェンダと議題設計/決議・審議事項の整理
  • STI/LTI評価指標・運用基準(事業利益評価方法、業績レンジ整合、DEレシオ評価)
  • クローバック条項の制度設計(発動事由・対象・返金計算・期間・適用開始)
  • 株式保有ガイドラインの改定方針
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